料理本 99/09/15

1 沢崎梅子「沢崎梅子の家庭料理の基礎」

■右腕理由
家庭料理は文化。その文化も、もはや親から子への伝達など、どっちもそれぞれに理由があって忙しく、あてにしていられない状態。この本は、派手さはありませんが(カラー写真は一切なし。モノクロの写真と小松惣一郎さんの温かなカットで構成されています)、基礎がきっちり書かれ、手順についてもていねいで、とても勉強になります。1982年に第一刷発行の静かなベストセラー。いただいた本で、はじめはあまり使いもしませんでした。が、何かのきっかけで使いだして以来、手放せません。キッチンにある唯一の料理本です。(婦人之友社1100円)

2 丸元淑生「続新家庭料理」

■右腕理由
ステンレス多層鍋を使い、野菜料理を中心に生活している私は、この本で鍋の使いこなしを学びました。時間のあるときは、これでじっくりと煮込み料理を作ったものです。とくに、ワインにあう料理が多い感じがします。なかでも好きなのは「ジャガイモとキノコの蒸し煮」「白花豆と冬野菜のスープ」。(中央公論社、1989年、1903円)

3 栗原はるみ「ごちそうさまが、ききたくて。」

■右腕理由
ステンレス多層鍋を使い、野菜料理を中心に生活している私は、この本で鍋の使いこなしを学びました。時間のあるときは、これでじっくりと煮込み料理を作ったものです。とくに、ワインにあう料理が多い感じがします。なかでも好きなのは「ジャガイモとキノコの蒸し煮」「白花豆と冬野菜のスープ」。(文化出版局、1992年、1500円)

4 「男のための料理の基礎」

■右腕理由
和食・結城貢、洋食・熊谷喜八、中華・陳健一、酒肴・秋月岩魚、野外料理・林政明と、すごいメンバーによる料理本。しかも、各料理はマニアックなものではなく「ていねいな日常」に徹しているところがすごいと思います。男のための料理本と言うよりも、少していねいな家庭料理をめざす人ならここまでやりたいものである、という本。すばらしい! 週末はちょっと手をかけて、おいしいものを食べたいなという男性は迷わず買って、どんどん作ってください。(もちろん女性が買うことに異存はないですよ)(フジテレビジョン、1995年、1942円)

5 土井勝「日本のおかず500選」

■右腕理由
写真の撮りかたや使いかたにしても、はじめから古典的というか、テキストのようです。しかしながら、季節を大切にし、行事食もカバーするという懐の広さ。「鯖の棒寿司」の白板昆布ってどう扱えばいいのか、ずっと疑問でした。が、この本で解決。その他にもこの本で解決したことってかなりあるところを見ると、今これだけ幅広くていねいに書かれた本は少ないんですね。(テレビ朝日、1995年、2427円)


【注意】ここに書かれている価格は発行当時の価格です。もし注文される場合は、ご確認ください。

■メール、いただきました。「いい料理本を紹介してください」と。了解しました。ただし、万人向けの料理本なんて、存在しません。それから、たとえば本格的なイタリアンを作りたいなら、ここには紹介していませんが、いい本があります。つまり、一冊で何でもこなせる料理本はないんですね。もう、経験上、断言していまいます(笑)。私のおすすめの4冊も、鵜呑みにしないで、自分に向いているか判断してから購入することをおすすめします。

■では、どうしたら判断できるでしょうか。(1)ダシのとりかたについて、きちんと説明がなされていること、(2)自分が作って食べてみたい料理がのっているか探し、そのレシピを読んでみること。理解できれば、かなり相性がいいはずです。