数の子
99/12/17

数の子はニシンの卵巣。黄色くおめでたい色であり、家族の繁栄を願って昔からお正月には欠かせない食材でした。プチプチとした食感を楽しむには、やはり塩蔵ものを自分で塩抜きして味を付けるのが一番。お正月からお店も開いているので年々お正月らしさがなくなっているし、おせちも飽きるからと敬遠されがちですが、せめて何品かでも作って新しい年を祝いませんか。

■手順
数の子の塩を抜く→漬け汁をつくる→薄皮のそうじ→下漬け→本漬け

■材料
数の子(ご予算にあわせて)

昆布
かつおぶし
しょうゆ
みりん

砂糖
削りがつお

■作り方

(1) 数の子は、まず端を少し折って食べてみる(ここで塩数の子とはどんなものか知ってください)。そして、ごくごくうすい塩水につける。1時間半〜2時間でこの塩水を取り替える。塩水を取り替えるたびに、必ず数の子を少し食べてみます。塩気が少し残っている程度で、塩抜きは終了です。だいたい4時間から6時間ぐらいだと思いますが、くれぐれも塩の抜きすぎには注意してください。完全にぬいてしまうと、漬け汁に漬けても、苦くて食べられたものではありません。数の子の塩を抜くときは、外出は禁物です(笑)。


(2) 塩抜きの間に、漬け汁の準備をして冷ましておきます。小鍋に水1.5カップ強(仕上がりが1.5にしたいので、これよりも多くしておく)と出し昆布をマッチ箱サイズで1枚くらい入れ、中火にかけます。沸騰する前に昆布を取り出し、かつおぶしをひとつかみ入れて火を止め、そのままにしておきます。冷めたら万能ざるで漉し、1.5カップ分を鍋に戻し、そこにしょうゆ・みりん・酒各大さじ2、砂糖小さじ半分を入れて弱火にかけ、沸騰したらすぐに火を止め、冷ましておきます。(これはつくりやすい漬け汁の量です。数の子300グラムぐらいまで対応できます)


(3) 塩抜きが終わった数の子は、薄皮のおそうじをします。竹串やようじで数の子の表面についている薄い皮をていねいにていねいに取り除き、最後にクッキングペーパー(リードのような、やわらかいものが最適)で仕上げのためにひとぬぐいすれば完璧です。


(4) 薄皮のそうじが終わった数の子をチャック式の袋かきれいな容器に入れて、冷ましておいた漬け汁の半量を入れます。このまま冷蔵庫に一晩ないし半日おき、翌日、この汁を捨てて冷蔵庫に保存しておいた残りの漬け汁をかけ、削りがつおをのせてできあがり。当日食べない場合でも、漬け汁に漬け直すのは、このときに終わらせます。


●数の子のこと
食感が命ですので、あまり細かくしないほうがいいですね。小さなものなら、折らないでそのまますすめます。大きな数の子は2つか3つに折って。包丁で切るよりも折ったほうが口当たりがいいです。金気(かねけ、かねっけ)を嫌うのかも知れません。もちろん、折れ子を買っても。ただ、あまり小さな折れ子(小指の先ぐらいしかない折れ子もあり)だと、食感がよくないと思います。
最後にのせる削りがつおは、できればちょっと奮発したいところです。

●ここで使った「まな板皿」、このところお気に入りの器屋さんのものです。
創作的な器がたくさんあります。センスもいいです。アクセスしてみてね。
http://www.utsuwaya.com/